伝説のトレーダー集団 タートル流投資の魔術
伝説のトレーダー集団 タートル流投資の魔術

 何を血迷ったか、こんな本を読んでみたくなり目を通してみた。まぁ投資そのものについては特に彼らのようなトレーダーになりたいという願望もないので分からない部分も多く、特に直接的な何かを得たというものでもないのだが、彼ら(タートルズ)の考え方や、彼(著者=カーティス・フェイス)の姿勢などで得ることは多くあったと感じている。


 まずテクニカルな面では「移動平均」。概念としてはもちろん在庫価値見積等にも使うので知ってはいたのだが、投資における「n日移動平均」(n=20とか70とか)の使い方は参考になった。「遅い平均」「速い平均」という表現はまさに移動平均を取る日数差による特徴を的確に言い表しているし、またこれらの交点におけるなんらかのイベントへの着目についても、分析手法における新たな視点をひとつもらったような気分だった。


 姿勢面についてはとにかく彼らの「決めたとおりに行う」を徹底する姿勢は強いと感じた。 もちろん 臨機応変、柔軟性といった判断はそれこそ臨機応変に採るべきだとは思うのだが、彼らは愚直なまでに決めた方針に従って売買の判断を行い、成功してきた。時にそれを「我慢」と呼んでいるが、まさに我慢すべきか変更すべきかを判断する際、我々は我慢が足りないことが多いのではないかと考えさせられる。


 もう一点は著者がタートルズの中で特に若かったことに起因することではあるが何十年経っても忘れてはならないと思うお話。

引用:

「高校を出たばかりの青二才に、そういうえらそうな顔をされるのは、相手にとっていっそう苦々しいことだったに違いない。
 わたしはあの会話の断片を耳にして以来、二十数年にわたって何度もその日のことを振り返った。(中略) 行動する前に自分の言動が他人にあたえる影響についてもう少し慎重に考えることを誓った。それと同時に、ときおり遭遇するマヌケで小賢いやつに対して、もう少し寛容になろうと務めている。ときどき自分もそうなるという事実を忘れないようにして。」

 これを自ら言える人は、やはり強いと思う。

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